アンソロジー
アンソロジー
『多様性が育む地域文化詩歌集―異質なものとの関係を豊かに言語化する』
地域文化の根幹にある、多様で豊かな言葉たち
254 名の詩・俳句・短歌
宮沢賢治、蒲原有明、飯田蛇笏、釈迢空など日本の名詩歌から、八重洋一郎、宮坂静生、馬場あき子など現代の詩人・俳人・歌人まで
解説:鈴木比佐雄 |
A5判/384頁/並製本 ISBN978-4-86435-589-6 C0092 |
定価:1,980円(税込) |
発売:2023年10月12日
目次
第一章 詩 ⑴ 手文庫
八重洋一郎 手文庫
若松丈太郎 土人からヤマトへもの申す
伊良波盛男 幻の島酒すでぃみず
飽浦敏 鷗が飛んだ/おもろの産土
玉木一兵 目覚めよ眠れる島よ/母の背の僕
高柴三聞 邂逅の記憶
神谷毅 荒磯の憂愁
うえじょう晶 記憶の迷路
うえざとりえこ 沖縄からOKⅠNAWA
小田切敬子 福木葉たより
三尾和子 七夕
砂川哲雄 雑草
かわかみまさと わたしのことば/ 凡人
ローゼル川田 城跡の闘牛場
第一章 詩 ⑵ 葦原の風景
小野十三郎 風景
三好達治 大阿蘇
小松弘愛 しゅうびん
杉谷昭人 廃線跡/五月の帰郷
岡隆夫 いんぎょうちんぎょう/高梁川と井戸
藤子じんしろう 糸へん
呉屋比呂志 流離
志田静枝 春の渦―第二西海橋パールラインを歩く/長崎に燈る灯
坂田トヨ子 元気で長生きの秘訣
貝塚津音魚 屋久島縄文杉との邂逅
近藤八重子 宇和島のさくら/仁淀ブルーに生かされて
天瀬裕康 手漉き和紙の手描き鯉のぼり
永田浩子 藤崎八幡宮例大祭
伊藤久美子 山里
森田薫 遊戯/揺れる
武藤ゆかり 姫街道
今井啓子 逆瀬川/陶工
外村文象 縁あって上州の地に/再会の日― 南九州の旅
村上佳子 山の向こうは土佐寺川郷/石鎚信仰と善根宿/干柿
第一章 詩 ⑶ 人の生映す濁川
宮沢賢治 原体剣舞連
蒲原有明 朝なり
草野心平 日本海
藤田博 聖橋
淺山泰美 カムイの涙
徳沢愛子 金沢方言・短詩抄 かさだかであるようなないような日常
池田瑛子 射水線 過去の駅から/海王丸のいる風景
髙橋宗司 雪の末に
安俊暉 回帰
水崎野里子 船橋音頭
うめだけんさく 橋の上で/コンビナートの見える海
鈴木昌子 昨日の月 今日の月/鬼怒川 怒り
照井知二 雪女 ふきとり地蔵とあいさつ/縄文の使者
金野清人 バババ聴ぎだくて
あゆかわのぼる えれじい/海峡
成田豊人 鷹巣・銀座通り商店街異景
ヨクト 皆伐
安里英子 シュマ・リ・ナイ
菅原未榮 こんぴらさん/シムシメパニ
狭間孝 「はじめに」の語源
第一章 詩 ⑷ てふてふが一匹
安西冬衛 春/韃靼海峡と蝶
中川貴夫 キンポウゲ
松本衆司 更待月夜
大橋政人 まどさんのミミズ
小野恵美子 芽生え/退化
新井啓子 松籟
船曳秀隆 蟻ンコと地球
風守 OCTOPUS
原詩夏至 蟋蟀
成田廣彌 龜蟲の十四行詩
肌勢とみ子 引きずられて/水脈
河原修吾 小篇 生きもの ―存在と不条理―
福冨健二 名前/市民感覚
中尾一郎 猫だしジャンケンの金曜日
金子以左生 争い
川井マキ 雀のごちそう
田中俊輔 イデオロギスト
田尻文子 冬鳥
くりはらすなを 馬
榊原敬子 お母さん 子供の声は聞こえていますか?
第一章 詩 ⑸ 人生の雑種として
小熊秀雄 人生の雑種として
金子光晴 さくら
藤谷恵一郎 いじめられた人へ いじめられている子へ
井上摩耶 自分の中の性
高橋英司 凡人スクラップ
篠崎フクシ フロントライン
志田道子 旅/助七商店……湯島妻恋坂下交差点……
志田昌教 横瀬浦の混血児
木場とし子 ママさん
植松晃一 神の箱庭/ニューノーマル(新常態)
勝嶋啓太 ぼくの隣りの人がすっごい震えてるんだけど
田中裕子 正論
矢城道子 砂時計が返されて
長谷川信子 五月/時差
加藤廣行 名前をつけてみればいい
羽島貝 乾杯の後に
第一章 詩 ⑹ 亜細亜紀
吉田一穂 亜細亜紀
丸山薫 朝鮮
永山絹枝 豪州研修の旅 ―一九九八年夏(当地は初冬)―
結城文 世界の定型詩を生んだ祖先たち
北畑光男 現代の鶴
本郷武夫 ユーラシア/大陸の夜
松沢桃 ジャカランダの誘い
いとう柚子 ハイクが海のむこうから
橋本由紀子 やさしい枇杷
日高のぼる ティーアガルテン通り四番地
千葉孝司 無告の氷/虹とワインの寓話
日野笙子 雪の羅針盤―於ススキノ裏町
やまもとさいみ テイスティ サンドウィッチズ/わたしとあなた
安森ソノ子 オックスフォード大で学徒と/カシュガルでの舞踊 朗読
宮内洋子 女納棺士/春画
方良里 南国の一景/同胞Ⅱ
新倉葉音 ヤヴォルの平和教会(ポーランド ドル ヌィ・シロンスク県/旧ドイツシュレージエン州)
苗村和正 旅人/胎内めぐり
鈴木悦子 マレーシアの色彩/埃及の風
鈴木比佐雄 ソンさんと息子の笑顔という言葉 ―仁愛の家 №/「仁愛の家」には「仁愛」が充ちていた
宇都宮英子 カナダからの便り
第一章 詩 ⑺ 軍港を内臓
北川冬彦 馬/租借/那覇空港にて
石川逸子 最前線
中野重治 新聞にのつた写真
丸田一美 息子ヘ―夏に
岩崎明 小倉は今日も曇ってた
山﨑夏代 戦争と祖国と
こやまきお いつの日に/孤高のカラス
青山晴江 佐田岬の村
二階堂晃子 地図はなくなった
酒井力 光と水と緑のなかに/大竹港にて
堀田京子 大切なもの/武器はいらない/五月のバラ
高細玄一 サマショール 人類の運命/桃初めて笑う ウィシュマさんの奪われた生/バスの中にあるスイッチ
石川樹林 「いつまでも、語り続けよ…」
菅井敏文 殺す
亀田道昭 戦火の目
鈴木良一 梳る記憶
みうらひろこ この国の明日―二十年前と同じことが―
鈴木正一 あたり前の日常を
趙南哲 パンドゥーラ
第一章 詩 ⑻ 漆胡樽
井上靖 漆胡樽―正倉院御物展を観て―
立原道造 はじめてのものに
前田新 会津彼岸獅子舞幻想
あべ和かこ 万里一空を駆ける
谷口典子 鬼
星清彦 駅の風景 ―冬―
草倉哲夫 きつねつき
美濃吉昭 神の子
熊谷直樹 妖怪図鑑「平家物語(敦盛の最期)」
秋野かよ子 白い川(粉河寺縁起絵巻より)
ひおきとしこ ヘブンアーティスト
尾崎義久 オーシスター
村上久江 ローカル車は走る
小山修一 詩の国
黒羽由紀子 老いの風情
若宮明彦 瑪瑙屋
第一章 詩 ⑼ 煮こごりのある風景
薄田泣菫 望郷の歌
村野四郎 郵便局界隈/芸術
江口節 行ったことのない国/節分
渡ひろこ コーリャン
坂本麦彦 煮こごりのある風景
橋爪さち子 つばさ
青木善保 真紅の信州りんご
柏原充侍 お豆腐屋さん/戦争病
沢聖子 特別の日
重光はるみ 竈
岩井昭 すどおし
うおずみ千尋 花待ち針
中久喜輝夫 ここ どこ?
高田一葉 夏祭り
第一章詩⑽ 帰る旅
西脇順三郎 旅人かへらず
高見順 帰る旅
後藤光治 迎え火
こまつかん ぼくの内面で変容した水鏡 ~深澤修のインスタレーション『水鏡考』と出逢う~
高田真 おとぎ話/100分待ち
万亀佳子 青葉の笛
佐々木洋一 死後の道に
中尾敏康 白杖の人
常松史朗 ここにいるきみはきみか
米村晋 カルーセル・エルドラド ―時を越えて―
星乃マロン 袋の中には?
関中子 輝く背中を/花火の夜
萩尾滋 紅染めの時/乗っていきまっせ ―福田須磨子・林京子両氏への献詩
坂井一則 熊手/鬼子
植木信子 碑 祭文/受けとめる
曽我貢誠 海のかなしみ
崔龍源 路上
第二章 俳句 ⑴ はかなき夢
松尾芭蕉 はかなき夢
与謝蕪村 祇園会
小林一茶 月のしなの
正岡子規 奈良の横町
高浜虚子 淺間八ヶ嶽
河東碧梧桐 夜の焚き出し ―震災雑詠
飯田蛇笏 野良蚕
飯田龍太 林檎の国
殿村菟絲子 烈風
林翔 草の絮
黒田杏子 炎ゆる人 炎ゆる雛―「雛」をめぐる八十四歳の記憶
第二章 俳句 ⑵ 琉球弧
野ざらし延男 琉球弧
おおしろ建 植民地の貌
石田慶子 甘蔗の穂風
おおしろ房 神女の言霊
前原啓子 正南風吹く
髙田正子 金魚田の泥
古田英子 木漏れ日の地
藤岡値衣 阿波の竹
向瀬美音 エメラルド
董振華 寒紅の遺影
宮内泰次 鳥曇
蒋草馬 パンクする夏野
第二章 俳句 ⑶ 陸奥の闇
宮坂静生 安曇人
高野ムツオ 陸奥の闇
橋本榮治 露万朶
永瀬十悟 ふくしま
井口時男 魚沼の雪
大河原真青 自安我楽
江藤文子 会津の夏
香焼美矢子 さくらんぼ
つつみ眞乃 遊びをせんとや生まれけん
吉田林檎 春きざす
髙橋純子 豆の花
木幡忠文 茶の湯
有村次夫 芋煮
今宿節也 江戸弁
鈴木牛後 牧夫たるわれ
牧野新 房総風景
加瀬みづき 新参者
飯田史朗 鋸山今昔
鈴木光影 流燈会
第三章 短歌 ⑴ ウタリの名
バチェラー八重子 ウタリの名
与謝野晶子 ジプシイの見世物
河口慧海 チベットの香の神
徳冨蘆花 西比利亞鉄道
森鷗外 鯨
若山牧水 古城を見る
斎藤茂吉 疎開漫吟
伊藤左千夫 九十九里浜に遊びて
中島敦 外人墓地の秋草
島木赤彦 流人踊り ―八丈島
釈迢空 奥熊野(抄)
北原白秋 柳川の水照
柳田國男 あその山人
第三章 短歌 ⑵ 母の組踊り、みちのくの土語
馬場あき子 神涼しけれ
玉城洋子 母の組踊り
新城貞夫 榕樹伝説
吉川宏志 コリアタウン
本田一弘 みちのくの土語
謝花秀子 「沖縄語」は私の宝
有村ミカ子 祭りの挽歌
橘まゆ 真夏の碑
池田祥子 わやわやの市
園田昭夫 渦の来し方
影山美智子 とほきふるさと
小谷博泰 奈良町かいわい
谷光順晏 越中岩瀬浜
望月孝一 女谷に綾子舞を訪ねて
高橋公子 狩野川
荒川源吾 雨竜炭鉱
樋口忠夫 氷の巡礼
福田淑子 チェンバロと ―山田貢氏へ
服部えい子 三川の澱めるところ
髙橋淑子 月島水景・深川有情
奥山恵 本の街
岡田美幸 無風の時間
座馬寛彦 緑青の波 ―鎌倉にて
解説 鈴木比佐雄
編註